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第203話
月曜日。
ようやく一週間の出張が終わり、いつも通り出社する。
会社の前には…
「あ、国近さん!おはようございます、おかえりなさい!」
当たり前のように待っている東洞、駆け寄り笑顔を見せる。
「あぁ、戻ったよ、ちゃんと仕事できたか?」
「はい、たぶん…」
「そうか、今日も頑張れよ」
声をかけてやると、
嬉しそうに笑う…
そんな姿はやはり可愛いと思う。
「あの、国近さんどうしてすぐ帰ってこなかったんですか?」
「ん?あぁ、まあ、ちょっとな」
今、柚木のことを話すわけにはいかない…
優志に除霊はどのくらい東洞に危険が及ぶものなのか、聞いてからにしないと…
そう思いはぐらかす。
「……」
やっぱり、女の人と会ってたのかな、言えないこと?
なんだか胸が苦しくなって俯いてしまう。
「どうした?」
「いえ、国近さんが帰って来て良かったです」
首を振り、その気持ちを振り切るよう再び微笑む。
「東洞、俺がいなくても1人で仕事出来るようにならないとダメなんだからな」
「……嫌です、」
「は?」
「一緒に仕事したい、です」
「東洞…俺に甘えてばかりはいられないんだからな、しっかりしろよ」
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