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第215話

新人の担当だけなら、いつかは離れる時がくる、だから恋人になれれば、ずっと離れなくて済むから… 「お前、何言って…」 いきなりの告白に頭がついていかない。 「好きなんです、国近さん」 「冷静になれ、こんなおっさんに…それにお前が好きなのは、俺のオーラだろ?勘違いしてるだけだ」 「違う、僕は国近さんが好きなんです、オーラだけじゃなくて、どうして分かってくれないんですか?」 「落ち着けよ、俺のオーラに惹かれるのは霊媒師なら必然のことらしいからな、それと混同しているんだよ」 「そんなことない、国近さんは僕のこと嫌いですか?」 まっすぐな瞳を向けて聞いてくる。 「東洞…」 嫌いじゃないから困っているんだろ…。 「国近さん、僕を国近さんの恋人にしてください」 さらに純粋に願う。 「はぁ、東洞…」 どうしたら分かるんだ? いっそ…怖がらせてみるか… 「っ」 ガタっ、 国近は東洞の胸元を掴み引き寄せ、自分のデスクに押し倒し、脅すように顔の横へ手をダンッとついて… 「ならお前は俺にこういう事をされてもいいのか?怖いんだろ?」 怖がらそうと力づくで行くが… 「…怖くない、国近さんになら何をされても平気…」 まっすぐそう見つめてくる東洞… それを見てハッと我にかえり。 「…いや、何をしているんだ俺は、すまん」     

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