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第219話

「まあ、大切にされていると言うことだろう。依頼というか、少し見るだけでいいんだが、知り合いに霊現象で悩んでいる奴がいてな、」 なだめながら話を続ける。 「分かりました、霊視に行きますよ」 東洞は詳しく聞くこともなく了承してくれた。 「本当はお前を使いたくはなかったんだがな、」 「大丈夫です、得意分野ですから頼って下さい」 「ありがとうな」 「いえ、それを悩まれていたんですね」 「あぁ、霊能者として見ないようにはしているんだが、こう言う時はやはり頼ってしまう、すまんな」 「大丈夫ですよ、国近さんのお願いなら喜んでききます」 「ありがとうな、くれぐれも無理はするなよ」 「はい」 にこっと可愛らしく笑う。 「あとは、お前の認識違いについてだな」 「え?」 「俺を好きだと言っていることについてだ」 「好きですよ」 すぐ言い返してくる。 「好きは好きでも、恋愛感情のそれと、お前の好きは違うんだよ」 「なんで?どこがですか?」 「お前は俺とどうしたいんだ」 「恋人同士になってキスしたいです」 「キスだけが目的ならそれは恋愛感情とは違う、お前はキスを通して俺のオーラが欲しいだけだ」 「違う、オーラは確かに気持ちいいけど、それだけじゃないです」

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