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第227話

東洞と身体を交えてから12時間も経っていないが、今日もいつも通り出社する。 すると、いつも通り、会社の前で待つ東洞の姿。 若干の気まずさを含みながら声をかける。 「…おはよう」 「おはようございます国近さん」 いつも通り可愛い笑顔を向けて挨拶を返してくる。 「その、身体は大丈夫か?」 霊媒師としてそういう行為をしたあと影響はないのか心配する。 しかし東洞は笑顔で。 「はい!いつもより元気です」 「そうか、なら仕事頑張れよ」 「はい!」 なんだかこのまま昨日の夜のことは無かったことに出来そうなくらい普段と変わらない東洞。 まあ、無かったことにはできないが、ちゃんと切り替えが出来るのか、単に性格なのか、変に引きずらないことは仕事付き合いはし安い。 そのまま通常業務をこなして、終業時間になる。 「よーし、そろそろ上がるか、東洞はあとどのくらいだ?」 「はい、今終わりました」 「え、本当か?」 「はい、今日は調子いいです」 「もしかしたらミスがあるかもしれないから、少しチェックするから」 「はい」 東洞の席に移り、入力間違いのチェックを始める。 東洞は国近の席に座って様子をみている。 「…、間違いないな、やれば出来るじゃないか」 つい頭を撫でていた。 「ありがとうございます、国近さんのおかげです」 嬉しそうにする東洞。 「俺?何かしたか?」 「昨日の…」 「え、あぁ、その話は職場ではまずい」 不意に聞いてしまったが、少しどきりとして話を変えるよう促す。 「はい、あの今日もうちに来て下さい、話したいことがあります」 「…そうだな、俺も…」 連日行くのも、と思ったが… 昨日の夜のことや、柚木の件についてまだ話したいことがある。 「よかった」 嬉しそうに微笑む素直なところは可愛いと思ってしまう。

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