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第228話
そうして終業後、二人で東洞家に帰る。
東洞が玄関に入ると、
「尊、おかえり」
そう笑顔で東洞を抱きしめる男。
「優志さん?なんで」
優志からの抱擁はいつものことなのだろう、東洞は慣れたものだが、見ているこちらは少し驚く。
玄関外の優志の視界に入る手前で止まって待つ。
「なんでって食材調達と結界の様子をみに来たんだろ、今日は仕事早めに終わったし」
「ありがとうございます、あの今日は国近さん呼んでて…」
名前を呼ばれて遠慮気味に玄関内に入る。
「国近…お前何の用で来てんだよ」
やはり快くは迎えてくれない。
「いや、まあ…用という用じゃないんだが」
昨日、優志の大事な東洞に手を出してしまってかなり気まずいが、平静を装って答える。
優志もさすがにこんな親と子ほど年の離れた俺と東洞がそういう関係になるなんてことは考えが及ばないだろうから。
「除霊の件なら他当たれよ!」
相変わらずツンケンな優志。
「優志さん」
「まあ、とりあえずメシにするか、新しい食材はどれだ?」
「あー、これが白菜…って話そらすなよ」
「まあまあ、適当に作るから優志も食べていけよ」
「…仕方ないな」
ツンとしながらも飯は食ってくれるようだ。
そうして、野菜がふんだんにあったので鍋を作り三人で食べる。
まあ東洞仕様で、肉類の入ってないきのこ鍋だが…
「鍋をみんなで食べると家族って感じがしていいですね!」
東洞は楽しそうだ。
「なら俺たちは兄弟でお前は親父役だな」
優志も腹が満たせたからか機嫌は良くなった。
「まあ、そうだな」
まあ、確かにそのくらいの年の差はあるが…
「はぁ国近さんが一緒に住んでくれたらいいのに…」
「おいおい、こんなオヤジいたらウザいだけだろ?」
会社でも顔合わすのに。そう冗談と受け取って笑う優志。
「そんなことないです」
東洞は真剣に返そうとするが…
「よし!そろそろ片付けるか!」
東洞が変なボロを出さないうちにお開きにする。
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