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第229話
「あ、手伝います」
「尊!お前は結界のチェックがあるからこっち来い」
「……結界のチェック?」
まさか裸にして身体を見るのか?昨日、東洞の身体に痕なんか残してないよな…
密かに不安になり聞いてしまう。
「あぁ、結界に綻びがないか見るだけだ」
「そうか、よろしく頼む」
「お前に言われなくても、俺の仕事だ」
「あぁ、」
ちらりと様子をみると、東洞は椅子に座っていて、優志は後ろから東洞に手をかざし、瞳を閉じて集中している。
裸にはならないようなので一安心。
優志がいるし、今日は話にならないだろうから片付けが終わったら帰るとしようか。
「俺のかけた結界はちゃんとしてるな、だが若干違和感がある、なんだ?別のなにか、力が…」
いつもの感覚と少し違うような…
「きっと気のせいだから、もういいですか?」
「あ、あぁ。」
身体に害はなさそうなのでとりあえずチェックを終える。
「国近さん手伝います!」
すぐ国近のところへ走る。
「いやもう終わったから、そろそろ帰るよ」
「え、もう?だってまだ、話…」
「優志がいるんだから無理だろう、」
「……」
「…いや、優志にも頼んでみるか、霊視の件は、隠し事は少ない方がいい」
嘘はいずれバレる時がくる。
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