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第230話
一線を超えてしまった件は、伝えた場合、最悪柚木と同じ術をかけられてしまうだろう、そうなれば柚木から預かった問題もうやむやになってしまう。
それは今はまずい、まずは柚木の問題を片付けてからだ。
霊能力に関しては、優志は東洞のマネージャーだから、隠してもし東洞に何かあれば言い訳の仕様がないから…。
「いいんですか?多分怒りますよ?」
「なんとか説得してみるよ、無理なら俺一人で行くしかないが…」
「いえ、僕も行きますよ!」
「ありがとうな、それは優志の許可がでたらにしよう」
「国近さん…」
「ところで優志は?」
「家の隅々までの結界をみてくれてます」
「そうか、」
さて、どう説得するか、なかなか難しいな…
悩んでいると…
「国近さん、」
そっと名前を呼びながら寄り添って、手を握ってくる。
「東洞、優志に見られたら、お別れだぞ」
そんな東洞の行動にどきりとしながらも、
手を解きなら、ボソっと伝える。
「…はい」
こくんと頷きながら、寂しそうな表情をして離れる。
「ちゃんと説得するから大丈夫だ」
その頭を柔らかく撫でてやると…
「はい」
にこっと嬉しそうに微笑む。
そんな素直な反応をする東洞は、やはり可愛いヤツだと思ってしまう。
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