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第233話
そして、東洞をなだめながら優志に電話をかける。
『優志か?国近だ、今話いいか?』
『あぁ、どうした?』
『東洞が俺のうちに来たいと言っていてな、一時間ほどうちに寄ってから帰らそうと思うんだがいいか?』
『はぁ?』
『俺の家は職場の近くにあるから危険はない。帰りは車で送って行くから』
『仕事が終わったならさっさと帰らせろよ』
『東洞も気分転換がしたいみたいなんだ、今、代わるから』
やんわりと伝えながら、東洞に電話を代わる。
『もしもし、優志さん?ちょっとだけ、行ってもいいでしょ?』
『行く意味が分からん、早く帰って来いよ』
やはり反対する優志。
『優志さんお願い、国近さんの家どうしても見てみたいから』
『もし霊がいても無視できるか?』
『はい…』
『何も食うなよ』
『大丈夫です』
『はぁ、なら着いたら連絡しろ、場所を確認するから』
東洞のお願いに弱い優志、渋々許してしまう。
『はい!ありがとうございます!』
『一時間だけだからな』
『はい!』
嬉しくて元気よく返事をする東洞。
笑顔で電話を渡してくる。
「国近さん」
「あぁ」
返事をし電話を受け取って優志に聞く。
『優志、今日も東洞のところへ泊まるんだよな、』
『あぁ、それがどうした?』
『いや、必ず東洞を送り届けるから』
『あぁ、』
そう約束して優志との電話を終える。
「優志にも伝えたし、行くか」
「はい!嬉しいです」
喜ぶ東洞を促して、会社を一緒に後にする。
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