236 / 300
第237話
「確かに僕は普通じゃないです、でも、国近さんのこと、大好きになってしまったから、もう忘れることなんか出来ない、またキスしたいし、国近さんとSEXしたい、」
あの温かさ、気持ち良さは忘れることなんか出来ない。想いを伝えようと、近づいて必死に話す。
「優志に言えないような関係になるべきじゃないんだ」
すがる東洞を引き離しながら言い聞かせる。
「…嫌です、国近さんの恋人にしてください」
「東洞…」
「僕、なんでもします、国近さんの恋人になれるならなんでもしますから」
「優志の大切にしているお前をこれ以上汚すわけにはいかないから」
なんでもする。
危険な言葉だ。
純粋すぎるが故…
「穢れない、そういいました」
頑なな東洞。
「優志に黙って関係を続けて、いつかバレた時には、俺はお前に近づけなくなる術をかけられるかもしれない、そうすれば二度と会えなくなるんだぞ」
「ッ、」
その言葉を言った瞬間、表情がこわばる。
「東洞」
「そんなことはさせない、」
ふるふると首を振り、身を乗り出し突然口づけしてくる東洞。
「っ、」
驚いて言葉に詰まる。
「だって、大好きだから、国近さんのこと大好きになってしまったから…ふっ、ぅう…」
離れた東洞の瞳からは涙が溢れていた。
縋るように抱きついてくる。
「東洞…」
そんな姿を見ると、胸が締め付けられるように痛む。
そっと、東洞の肩を抱き寄せ、優しく抱きしめる。
ともだちにシェアしよう!