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第237話

「確かに僕は普通じゃないです、でも、国近さんのこと、大好きになってしまったから、もう忘れることなんか出来ない、またキスしたいし、国近さんとSEXしたい、」 あの温かさ、気持ち良さは忘れることなんか出来ない。想いを伝えようと、近づいて必死に話す。 「優志に言えないような関係になるべきじゃないんだ」 すがる東洞を引き離しながら言い聞かせる。 「…嫌です、国近さんの恋人にしてください」 「東洞…」 「僕、なんでもします、国近さんの恋人になれるならなんでもしますから」 「優志の大切にしているお前をこれ以上汚すわけにはいかないから」 なんでもする。 危険な言葉だ。 純粋すぎるが故… 「穢れない、そういいました」 頑なな東洞。 「優志に黙って関係を続けて、いつかバレた時には、俺はお前に近づけなくなる術をかけられるかもしれない、そうすれば二度と会えなくなるんだぞ」 「ッ、」 その言葉を言った瞬間、表情がこわばる。 「東洞」 「そんなことはさせない、」 ふるふると首を振り、身を乗り出し突然口づけしてくる東洞。 「っ、」 驚いて言葉に詰まる。 「だって、大好きだから、国近さんのこと大好きになってしまったから…ふっ、ぅう…」 離れた東洞の瞳からは涙が溢れていた。 縋るように抱きついてくる。 「東洞…」 そんな姿を見ると、胸が締め付けられるように痛む。 そっと、東洞の肩を抱き寄せ、優しく抱きしめる。     

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