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第257話

「手のひら全体に熱を感じたら、ゆっくりと床に手のひらをついて、息を大きく吸い、ゆっくりと息を吐き出します。その瞬間、両手からオーラを外に広げるように、意識を向けてみてください」 「……」 そっと床に手をつき、息をゆっくり吐き出す。 手から熱を放つ感覚で… 「目は開けても大丈夫です」 「もう一度、」 「はい」 言われたまま、放出を繰り返す。 「そうですね、お上手です、それがオーラを放つ感覚です、覚えてくださいね」 「はい」 「あ、すごい、国近さんのオーラが…」 髪をおろし、水色の袴に着替えた尊が驚きの声を出す。 「俺にはよく分からないが、これでいいのか?」 「訓練を重ねると手からでなくとも全身から放出できるようになりますが、今回はこれで充分です。随分、場が清浄され、霊能力者が戦い易い場が作られます」 「国近さん、今、車の中は国近さんのオーラで満ちていますよ、凄く安心できて心地いいです」 尊も感覚を教えてくれる。 「それなら良かった」 「戦闘中、呼吸を吐く時には、オーラを放出する感覚を常に持っていてください」 「あぁ、分かった」 しばらく練習を繰り返す。 「準備が出来たら今一度役割を説明します」 倉橋は皆に声をかけ、集まるように言う。 準備が整った尊と、助手の陰陽師二人、そして俺が倉橋を囲み、説明を待つ。 倉橋は簡易的に書いたアパートの見取り図を見せながら説明を始める。     

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