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《神降ろしの儀》
アパート内の一室では、優志が妖魔三体と対峙していた。
右手右腕を包丁で数度刺され、出血が止まらなくなっていた。貧血で崩れ落ちそうな足を叱咤して何とか立っている状態…。
呼吸は荒く、意識も朦朧としてくる。
「ッ…、ハァ、ハァ…」
「早く解けよ!そろそろ出血多量でやばいんじゃないか?」
「ッ解く必要はない、ハァ」
操られた状態で術を解いたら確実に尊を危険に晒してしまう。
ふらふらになりながらも、助けがくることを信じ、時間稼ぎを続ける優志。
「呪詛を解きさえすれば解放してやるって言ってんだよ!オラッ」
柚木は優志を壁際に追い詰め、傷ついた右腕を足で踏みつける。
「ッ!ぐっ」
痛みに耐える優志。
不意に、柚木の身体の力が抜けて、苛立ち始める。
「ハッ、まただ、忌々しいッくそっくそ!!」
わなわなと震えながら、ベランダから外へ走り去って行った。
「きた、か…」
ふっと笑い、痛めた腕を抑える。
尊が近づいてきている。柚木がここに居られなくなったのは人払いの術の影響だ。
「動くな!殺すぞ!!」
女は依然、優志を脅すが…
そこへ、なだれ込む霊能者達。
「優志無事か!?」
「優志さんっ」
俺と尊は名前を呼び無事を確かめる。
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