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第263話
「な、何!?」
一瞬で部屋の空気がガラリと変わり、まばゆい光が溢れている、その中心にいるのは…
いつの間にか再び立ち上がっている東洞尊…
表情は穏やかだ。
「東洞ッ!?」
「尊くん!?まさか…」
「え!?」
倉橋も驚いているため、想定外の出来事らしい。
「ッ、優志!目を覚ましてください!!優志っ」
慌てて気を失っている優志を揺さぶり起こす倉橋。
「ッ、…倉橋先生、」
「大変だ、尊くんが…」
「え?何が、」
理解に至れず呟くと…
「呼んだ神以外の神が降りてきている」
髪をなびかせ、神々しい光に包まれて…
しかし綺麗な黒髪だったはずの尊の髪は、一瞬で色が抜け、白髪となっていた。
「まさか、天照《あまてらす》…」
倉橋は、驚きながらぽつりと呟く。
「そんな…ッ最高位の神…、尊の身体がもたない」
優志はかなり焦っている様子。
「……えッ」
「国近さん、今すぐオーラを片手に集中させ、片手から尊くんの背後へオーラを放出し、出来る限り身体の浄化を続けてください」
切迫した様子で指示する倉橋。
「はい、」
「集中して、尊くんの命に関わる事態が発生しています」
「あぁ」
訳もわからず、言われたままオーラを尊へ放出する。
「一瞬で終わる」
愕然としたまま優志が呟く。
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