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第266話
「そうですね、しかしこの地に天照が降りたった為、この一帯はかなり浄化されている筈、もしかしたら近くで倒れているかもしれません、少し調査を」
倉橋は助手に周辺の調査を頼み、倒れている母親と娘の様子を見に行く。
「優志、大丈夫か?」
右腕を負傷している優志を心配して声をかけるが…
「ッ貴様!」
ガッと左手で胸ぐらを掴んでくる。
「ッすまなかった」
尊や優志を危険な目に合わせた俺に怒りをぶつけるのは当然だ。
「優志、今は…」
それを倉橋が止める。
「ッ…はい」
優志は怒りを抑えて、尊の左手の手当てを行い、降霊に使った神具を片付けた。
倉橋も娘の怪我の手当てを終え、近づいてくる。
「ひとまず車に戻りましょう、国近さん、尊くんを運べますか?」
「はい、」
頷いて尊を抱き上げ、一団はアパートを出る。
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