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《和解》

尊を抱き上げ車に運んでいる最中に、尊が目を醒ます。 「…国近さん?」 「あ、目が覚めたか?大丈夫か?すまなかったな」 皆に目配せし、覚醒したことを伝え、尊には謝る。 「いえ、大丈夫ですよ、あの柚木くんはどうなりました?」 「今、倉橋先生の助手が捜索してくれている」 「話がしたいです」 「尊、」 「優志さん、柚木くんの呪いを解きましょう、柚木くんはもう充分苦しみました」 前を行く優志にそう話しかける。 「尊…、」 「僕らだって…、もう終わりにさせましょう、これは国近さんがくれた和解のチャンスです」 「……」 さすがに一つ返信とはいかない…渋る優志。 「お願いします、呪いを解いてきてください、心残りは少ない方がいい、このまま僕が死んだら優志さんを恨みますよ」 「……分かった」 尊の願い…重く頷く優志。 柚木発見の連絡が入り、優志は倉橋とともに倉橋の車で柚木の元に向かった。 倉橋が柚木に取り憑いていた霊を浄霊し、優志は霊の取り憑いていない柚木と話し合いをした。 憑き物が落ちた柚木は別人のように話を受け入れ謝ってくる。 倉橋の助言もあり、柚木の悔い改める姿を見て決心して、尊の願いだった禁術の解印を行なったのだった。 優志の車で尊と待っていると、柚木の術を解印したと連絡が入る。 尊は柚木の元に行きたいと願っていて…     

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