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第268話
「本当に行くのか?」
「はい、柚木くんと話がしたいです」
「分かった」
尊の願いにより、呪いが解かれた柚木たちがいる場所へ、優志の車を運転し連れて行くことになった。
まだ上手く歩けない尊を抱き抱え、柚木の元へ連れて行く。
そっと降ろして立たせると、柚木が駆け寄ってくる。
「たける!!」
「柚木くん!」
「尊!ごめん、俺、あの頃は金儲けのことばかり考えて、お前を傷つけていたことすら気付いていなかった」
近づいてすぐに頭を下げる柚木。
「ううん、僕も柚木くんを頼りすぎていたから、ごめんなさい」
「お前と会えなくなって、ずっと後悔してたんだ、ずっと謝りたかったから」
「僕もだよ、柚木くんは何も知らない僕に色々なことを教えてくれた、本当にありがとう、こんなことになってごめんなさい」
「尊…。今、この人達に浄霊してもらって、身体が嘘みたいに軽くなって、モヤモヤしたものも無くなった、母さんや姉さんまで助けれくれて、本当にありがとう」
再々頭を下げる柚木。
「うん、良かったね、でも国近さんのおかげだよ」
「国近さんもありがとうございます!」
「いや、」
「俺は、一からやり直そうと思う」
「うん、そうだね、頑張ってね」
「尊はしっかりしたな、会わない間に」
先刻あった出来事からは想像できないほど、和やんだ雰囲気に国近も安心する。
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