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第273話

夢の時間が終わりを告げただけ… けれど、このまま術によって突然離れること になったら、また尊を傷つけてしまう。 せめて別れの言葉くらいは伝えたいけれど…。 明日、会社に辞表を出して、尊とも別れて…優志に会いに行く。 術をかけられに… 「どうしたんですか?」 「いや、巻き込んですまなかった」 そう微笑み気持ちをはぐらかしながら、昨日のことを謝る。 「国近さん!巻き込んだのは僕の方なんです、昔の因果が巡り巡って、今解決に向かっただけのこと」 「東洞」 「国近さん、しっかりしてください、僕の指導役の上司さんなんですから」 「そうだな、こんなんじゃお前のこと、もう叱れないな」 そう少しだけ微笑む。 「国近さん」 「明日は無理するなよ」 まだ身体は心配、仕事を休むなら休んでもいい。今日が最後になるだけのこと。 「じゃ、僕の身体を浄化してください」 「浄化?」 「国近さんにしか出来ない方法で」 そう抱きつきながら頬にキスを落とす。 「東洞、」 「2人きりの時は、名前で呼んでください」 「あぁ、たける」 「はい、啓介さん大好きです」 そっと口づける。 「俺も尊が大好きだ」 優しくキスを返しながら…あまり呼ばれない下の名前を呼ばれたことでドキリと心臓が鳴る。 離れたくない、尊と会えなくなるなんて嫌だ。 そう子供のように思ってしまう心を必死で抑え込む。 「嬉しい、啓介さん」 そう上目遣いに微笑んで、ベルトを解き、ズボンの前を開き、俺のそれを愛おしく口に含む尊。     

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