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第278話

それでも目の前の楽しそうな尊の姿を見ると、そんなことは忘れてしまえそうになるくらい、幸せを分けてもらえる。 「今日も泊まっていかれますよね?」 「いや、明日仕事だし、準備もあるから夜には帰るよ」 本当はギリギリまで一緒にいたいが、自分の気持ちを整理するためにも離れなければならない。 「そうですか…あ、でもお風呂は入っていってくださいね!せっかくですから」 「あぁ、ありがとう」 「いえいえ、ご飯のお礼です、とっても美味しかったです」 「それは良かった」 「また作ってくださいね」 「……あぁ、この家に来られたらな」 人払いの法をかければ… 尊がいる間は家に入れなくなる筈だから… 「?またいつでも来て下さい!」 「あぁ…」 やはり、禁術のこと、伝えたら尊は怒るだろうな… まさか俺と会えなくなるとは思わないだろうから、けど、こんな関係はやはり長引かせてはいけないんだ。 尊が求めているのは、俺のオーラ… それを利用して、こんなオヤジが、尊の身体を弄んでいると、そう言われても仕方ないんだから。 終わらせるべきなんだ。 食後、帰る支度をしていると尊が声をかけてきた。 「お風呂一緒に入りましょ!」 「ん?あぁ、禊は?」 「しなくても良さそうだけど」 「まぁ一応しとけ、習慣だから」 「はーい、行ってきます」 そう促して、禊場へ行く尊を見送り、浴室へ向かい、先に身体を流して、湯につかる。     

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