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《愛してる》
翌朝、いつものように出社して、会社の入り口で国近が来るのを待っている尊。
「……、おかしいな、もう時間が、」
いつもならとっくに出社している時間、遅れたことなんかないのに。
もしかしたら先に行っちゃったのかな?
遅刻してはいけないので、独り会社に入っていく。タイムカードを打刻して、いつもの席に…
「あれ…?」
まず目に付いたのは、国近のデスク。
ティッシュやメモ帳などの国近が使っていた小物が一切無くなっていた。
まるで、誰も使っていない空きデスクのようにがらんとしている。
「国近さん?…これ、国近さんから」
自分の机には手紙が…。
東洞尊へ。
おはよう。
直接伝えることができなかったから手紙を書いた。落ち着いて読んでくれ。
最初は奇妙な縁だったが、お前と親しくなっていくうちに俺は、とおに忘れていた人を愛する気持ちを思い出せた、ありがとう。
短い間だったが、お前と過ごせた時間は幸せだったよ。本当に夢のような時間だった。
だから、夢はいつか醒めるもの、今日でお前とはお別れだ。
見て分かるように会社も辞めた。お前とはもう会わない。
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