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第295話
「…いや、オーラに惑わされているだけだ、あのオヤジと何才離れてると思ってるんだよ」
首を傾げ、信じられず言い返すが…
「年なんか関係ない、僕は、国近さんを愛しているんです、だから離れ離れになるなんて絶対に嫌、…イヤなんです…っ」
ポロポロと涙を流しながら懇願する。
「尊…、とりあえずお前は家に帰れ、国近の術を解いたら家に連れて帰る」
そんな尊に困惑しながらも、とりあえず家で待たせることにした。
「分かりました、待ってますから、優志さん、お願いします」
尊はタクシーで家に帰し…
尊の願いを叶える為に車を走らせる優志。
「……」
『国近さんのことが好きなんです』
『国近さんを愛している…』
「尊…」
尊の言葉に困惑する優志だった。
20分ほど走ったところで国近を見つけた。
バス停のベンチに座っている国近に近づいて呼ぶ。
「国近!」
「優志、どうした?」
「いや、尊の説得に失敗した」
「え?」
「術を解いてこないと死ぬと言われた」
「……はったりじゃ」
「いや、剣を首に突きつけて目が本気だった…」
「……」
「動物霊に取り憑かれた時もだが、最近の尊は俺の考えの上を行く、以前はそれで言うことを聞いていたのに…」
「まあ、東洞も大人になったと言うことだろう」
「危なっかしくて、手におえない」
「そうか?」
参った様子の優志を見て、少し笑ってしまう。
「お前のことを愛しているとか言うし…」
溜息をつきながらぼやく。
「……優志はそれを聞いてどう思った?」
優志の言葉を拾い、やや真剣に問う。
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