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第300話

「はは、」 優志とのやり取りに笑っていると、尊が不機嫌になる。 「むぅ、いつの間にか優志さんも国近さんと仲良くなってるし」 「まあ、妬くな妬くな」 可愛い尊の頭を撫でてやる。 「国近さんは僕のですよ!」 不意にぎゅっと腕を掴んで引き寄せ、優志を牽制している尊。 「いるかそんなジジイ」 フン、と顔を背ける姿が可愛く映って… 「まあまあ、優志も可愛いよ」 なだめつつ、素直な感想を伝えるが… 「キモイわ」 怪訝な顔をする優志。 「浮気はダメですよ!国近さん!」 「…浮気はできないな、後が恐そうだ」 「確かに…」 そこは、優志も頷いている。 尊を怒らせたら何をするか分からない。 「もう!何ですか二人で!!」 「まあ、三人で仲良くやろう、優志も尊のこと、一人で背負わずに少し肩の荷を降ろしたらいい、お前の頑張りは尊もよく分かっているから」 やんわり褒めてやる。優志は尊を守る為に生きてきたようなものだから。 「ふん、」 「はい、優志さん、本当は大好きですよ、いつもありがとうございます」 にこっと笑って、素直にお礼を言う。 「……おう」 尊の言葉を聞いて、少し嬉しそうな顔をする優志だが… 「あ!国近さん会社!」 不意に尊は思い出して声を出す。 「ん?」 「社長に国近さんを会社へ連れてくるって言ってるので急いで戻りましょう!」 「え、いや、このままじゃ、」 私服のままだ。出社するにはスーツに着替えなくては… 「優志さん!国近さんの家と会社まで車でお願いします」 「えー、肩の荷降ろしていいんじゃなかったのかよ」 「頼りにしてます!優志さん」 にっこりと微笑んでお願いする尊。 「仕方ないなぁ」 とことん尊に甘い優志だ。 「はは、なら優志の優しさに甘えようか」 「お前はついでだ!ったく!」 やはりツンケンな優志だが、険悪な雰囲気ではない。 「ありがとうな」 素直に感謝の言葉が出る。 これからも三人で仲良くやれたらいいと、本当にそう思うのだった。     

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