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八本目は誓いを_06
「ねぇ、音八パイセン。俺、ぜったいに音速エアラインのマネージャーになるから」
「お前はすでに敏腕ジャーマネだろ?」
「そーいうことじゃなくて、ガチで。ちるちるの事務所に就職すっから、待っててよ。それまでは自称敏腕ジャーマネ。それで、音八パイセンを一生支えてあげてもいいよ。音八パイセンは俺がいねぇとつまんないっしょ」
裏返せば、俺は音八先輩がいないとつまらない。だけど、照れくさくて言えなかった。白金家はそういうことはなんでもお見通しだ。
「俺がいねぇと本郷がつまんねぇ、の間違いだろ」
ゆるく口角を上げた音八先輩を見て、やっぱりバレていると笑った。
「うん。そうっすよ、音八パイセンいねぇとつまんないっす。だから、今度セックスでもします「する」
食い気味かよ! 手を叩いて笑うと、音八先輩はギラギラした瞳で俺の手をとり控え室へと向かう。
ちょっと待って、今するとは言っていない。いずれしよう的なニュアンスだったんですけど。もしかして通じていないのでは。セックス大好き音八先輩ならありえる、ライブ終わりなんて一番興奮しているだろう。俺、喰われる。いや、ちんぽ咥えるのは音八先輩だけど。
控え室に引きずり込まれ、バタンと扉が閉まる。ちょっと待って、なんて言わせる気はないのだろう。音八先輩は俺のファスナーを口で下げると、下着の上からうっとりした表情でキスをしてくる。
「はー、サイコーな気分……本郷は寝てるだけでいいぜ、俺が全部やってやるよ」
「それ、男側の台詞じゃないっすか?」
「俺抱かれる側だけど、ちんぽ大好きなオトコだぜ。寝てるだけとか無理、俺の好きにさせろよ、お前のちんぽを」
さっきまでスタンドマイクを握っていた手が、俺のモノを揉み込んでくる。やらしい手だ。ビクビクと腰が揺れ、扉に背中を預けてしまいそうになる。
襲われっぱなしすぎるだろ、俺。それでも男か。あまりの気持ち良さに流されそうになるけど、それでいいのか。
自由が利く足を動かして、音八先輩の下半身に触れる。スニーカーを履いているから、なるべく軽く。たったそれだけの触れ合いで、音八先輩は「っぅあ、やべぇ、ッキモチ、イー、わ」うっとりした声を上げる。
あ、ちょっといい。俺の手じゃなくて足で、音八先輩を気持ちよくしている。その事実にすっかり興奮している俺は、ぐにっと爪先で下半身を撫で上げると音八先輩はビクビク腰を揺らして俺の腰に抱きついてきた。
「あー……ッ、やべぇ、お前、ちょっとSなわけ?」
「違うと言いたいっすけど、音八先輩のそーいう顔はちょっとそそる」
はぁはぁ、熱帯びた吐息を漏らした音八先輩が俺の下着に指をかける。変態じみた表情浮かべているのに、そそる俺もけっこう変態かもしれない。
「本郷のちんぽってさ、すっげぇデカいってわけじゃねぇけど、カリのカタチがサイコーなんだよなぁ。あー、俺ん中に早く挿れてぇ、ぜってぇ気持ちイイだろ」
俺の性器にすりすりと頬を寄せる音八先輩の瞳の奥にハートが浮かぶ。ほんと、ちんぽを前にすると気持ちいいほどにビッチだな、この人は。
音八先輩は俺に見せつけるように唾液を性器全体へと垂らすと、れろと竿を舐め上げながら陰嚢を掬い上げるとたぷたぷと揺らしてくる。完全に楽しんでるなぁと笑っていると、やわやわと優しく揉み込まれて喉が震える。同性だからなのか、音八先輩だからなのか、舐め方も手つきもいつも的確でぞくぞく腰が震え上がってしまう。なにより、美味しそうに舐めている音八先輩を見るとひどく興奮する。美味しいわけないのに、どこまでビッチなんだこの人は。
「……美味しいっすか、俺のちんぽは」
「んぅ、……すっっげぇ、んまい、ぜ」
陰嚢にちゅうっとキスをしたかと思えば、大きく口を開いて咥え込む。どうしたら男がその気になるか知っている音八先輩の魔性っぷりに思わず眉根を寄せた。
いっしょうこの人に敵いそうにないや。俺のことを好き勝手に振り回して、歌っている時は死ぬほど格好良い。さっきまで甘い声で歌っていた口が、今や男のちんぽ咥えてるなんてさ、誰が思うんだ。ギャップありすぎでしょ。
陰嚢を舐めながら、竿をしゅこしゅこ上下に扱く音八先輩がとろけた瞳で俺を見上げる。エッロいなぁと吐息を漏らして、音八先輩の髪をくしゃりと握りしめた。
傷んだ髪だ。ちるちるのサラサラした髪とはまるで違う。ちっとも労わりを感じない音八先輩の髪は高校生の頃から赤く染めているのだろう。自分の外見にあまり頓着しないのか、音八先輩は体もただ細いだけ。色気のかけらもない。だからこそ、歌っている時の色気に圧倒される。自分の武器は『声』だと音八先輩が豪語するのも納得してしまう。
「音八パイセンは、ちんぽ舐めてるだけでいいんすか。挿れてほしくないの」
陰嚢から口を離し、うっとりした表情で鈴口を舐めている音八先輩を見つめる。俺に夢中な元カノたちですら、そんなにうっとりした顔しなかったぞ。
「は? 挿れてほしいに決まってるだろ。だけど、まー、今日は我慢してやる」
「我慢してやるって完全に台詞が男っす……ぅ、あッ」
ぐり、鈴口に細い舌を捩じ込まれると変な声が出る。音八先輩は気を良くしたのか、にやりと口角を上げて唾液塗れの性器を深く咥え込む。
は? あんたの武器はその『声』だろ? そんなに深く咥え込んで、喉にコツコツ当てていいわけがない。
音八先輩の髪を思いきり掴んで、無理やり口を離させると黒い瞳をぽかんと丸めて「は? どーした?」気持ちよくなかったかとばかりに首を傾げる。
いや、サイコーに気持ちいいっすけど! 俺の気持ちよさなんて二の次でいいんだよ!
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