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本文09
カバンを持って戻ってくる天。
音愛にカバンを渡し、ソファの前の床に座りこみコーラを飲みだす。
音愛はカバンの中をがさごそ漁り、薬のケースを取り出す。中から錠剤を取り出す様子を、ハッとした顔で見ている天と篠宮。
天 「どっか悪いの? やっぱ救急車呼んだほうが良かったのかなー……」
申し訳なさそうに言う天に、慌てて首をぶんぶん横に振る音愛。
音愛「いえっ、あの……僕、半ひきこもりでパニック症候群で……さっきも天さん見てドキドキしちゃって……それで」
篠宮「パニック症候群?」
篠宮も音愛のそばにやってくる。
音愛「はい……言ってもなかなか理解してもらえないと思いますが……発作の前兆が出ると不安になって、それで余計に動悸がしたり……他にも症状はあるんですけど」
うつ向いてぽそぽそ話しながら錠剤を手のひらにだし、口に入れペットボトルに口をつける音愛。
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