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凛香さんの涙

「ナオ、初めてだろうと思って、昨日は、最後までせず、我慢した。今すぐにでも、挿れようか!?泣いても、どんなに嫌がっても止めるつもりはない」 彼の声は怒りで震えていた。 耳朶を甘噛みされ、下着ごと一気に下ろされた。 「信孝さん!」 そのまま、シーツに押さえ付けられた。 「ちゃんと言うから、やぁっ・・・ん!」 Tシャツをたくしあげ、背中を、彼の唇が這いずり回る。 強く吸い上げられる度、勝手に腰が揺れ、声にならないか細い嬌声が上がる。 「あっ!」 前をくつろげ、熱くたぎる彼の雄が、蕾に押し当てられた。 「信孝さん、信孝さん!」 一瞬、意識がフワリと飛んだ。 気が付けば、夢の中で見たあの男性が、じろりと、僕を見下ろし、自身の浅黒い塊を捩じ込もうとしていた。 「いやだ、いやだ、いぁあ・・・!!」 ありったけの声で叫んだ。 心拍数が一気に上がる。 はっ、はっ、 息が出来ないくらい苦しくて、苦しくて、シーツをかきむしった。 「ナオ、ナオ!」 信孝さんの声が遠くから聞こえる。 彼の名前を呼んで、手を伸ばすも、届かなくて。 その瞬間、ぷつりと意識が途絶えた。 ここは・・・どこ!? 次に目が覚めた時、暖色系の天井と、カーテンがまず目に入って、それから、椅子に座り、僕の片方の手を握り締めたまま眠る信孝さんの姿が目に入った。 「の、ぶ、た、か、さ・・・ん」 力が入らない手をひっしで伸ばし、爪先がようやく彼の髪に触れた。 もう、怒ってない!? 穏やかな寝顔ですやすや眠る彼に問いかける。 ごめんなさい ちゃんと言うべきだったのに・・・

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