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番外編 はじめてのママ友
「あのね信孝さん」
「ん?どうした?」
夕食のときに意を決して彼に声を掛けた。
普段から家族ぐるみの付き合いをしている菱沼組組長の度会さんから、知り合いの家族が東京から福島に引っ越してきた。晴と未来と年が近い子どもが二人いるから、遊びに来ないか?そう誘われて。
晴は人見知りしないからいいけど未来は人見知りするし、もしパニックでも起こし暴れたらそれこそ相手の家族に迷惑だから………どうしよう。
悩みに悩んだ末、彼に相談することにした。
「あのね」
「だからなんだ?さっきから変だぞ」
「うん、ごめんね」
ゆっくり深呼吸をした。
「じゃあ言うね。僕ね、度会さんの家に子どもたちを連れていきたい。まだ、ひとが怖くて、おんなのひとが怖いけど、度会さんが言うには、今まで会ってきたひとたちとは全然ちがうって。子どもたちも、二人の子どもの一太くんと遥香ちゃんにすぐに懐くから心配ないって。卯月さんの奥さんといい友だちになれるんじゃないかって。僕ね、友だちは作る必要ないって礼さんに言われて、いないんだ。一人も。だから、あのね………」
一生懸命言葉を紡いだ。
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