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〇同・庭(夜)    蝦夷菊や白粉花など夏の終わりを告げる    植物が風に吹かれ、小さく揺れている。    鈴虫も鳴いている。 〇同・居間(夜)    八畳の純和風な居間。    箪笥の上には祖母の写真。    柱にかかった時計は七時を指している。    雪弌にすっかりなついている光太郎。    × × ×    居間からキッチンが見える。    洸龍が晩御飯の支度をしている。    × × ×    卓袱台に子供が好みそうな夕餉が並ぶ。    それを囲む洸龍、正太郎、雪弌の三人。 洸龍「ほら、できたぞ。ったく、家の人たちに  黙って出て来るなんて」 光太郎「だって……」    光太郎、しょんぼりと俯く。    急須の緑茶を注ぎながら、 雪弌「説教は後でもいいだろう。 飯が不味くなる」 洸龍「お前、光太郎に甘すぎないか?」    雪弌が肩を竦める。 雪弌「お前こそ、厳しすぎる」    黙っている洸龍。 雪弌「それとも子供に嫉妬しているのか?」    光太郎が洸龍をきょとんと見上げる。 光太郎「しっとってなあに?」    雪弌はクスリと笑う。 雪弌「ヤキモチのことさ」    洸龍の歯切れが悪い。 洸龍「うるせぇ、だまって食え」

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