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〇同・台所(夜)
洸龍が酔い覚ましの水を煽る。
× × ×
雪弌が台所と居間の境の柱に凭れて洸龍
を見ている。呆れた風体で小さく溜息。
× × ×
洸龍が空になったコップを置く。
俯いたまま、
洸龍「……どうせお前も……いや、いい、
何でもない」
一歩踏み出した雪弌の足。
雪弌がそっと洸龍を抱きしめる。
洸龍「……やめろよ」
力なく雪弌の胸を押し退ける。
洸龍の拳に力がこもる。
洸龍「お前だってそうなんだ」
洸龍は焼きつくような焦慮を隠している。
雪弌「子供では無いのだから、はっきりと言え」
洸龍「……子供じゃないから」
雪弌はもどかしく思い、洸龍を見る。
洸龍「光太郎みたいな子供じゃないからな。
大人だから、黙って飲み込むこともあるんだ」
洸龍、踏み込み、雪弌に乱暴なキスをする。
自分の気持ちを誤魔化すように、焦燥を
ぶつけるように。
洸龍の肩を叩き抵抗する雪弌だったが、
やがて篭絡され、抵抗を止める。
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