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  光太郎、むくれている。 光太郎「洸兄ちゃんは意地悪だ」    洸龍、苦笑する。 洸龍「岸田家の血がオレには流れていない」 光太郎「でも雪ちゃんとお話できてるもん!」    洸龍、バリバリと頭を掻く。 洸龍「ああもう! それはな、まあ光太郎には  まだ早いっつうか、子供には言えない方法」 光太郎「そんなのはどうでもいいよ!」 洸龍「どうでもって、お前……」 光太郎「早く! 恋人でしょ⁉  雪ちゃんに!   ごめんなさいしてきて!」    洸龍の衣服を引っ張る光太郎。 洸龍「こら、引っ張るな! わかったから!」    洸龍が雪弌の居るであろう二階の寝室 へ、急いで向かう。 〇同・階段(深夜)    大人一人通るくらいの階段。    二階廊下の窓から月明りが。    その明りを頼りに昇って行く洸龍。 〇同・寝室・前(深夜)    洸龍、少しためらって、 洸龍「……入るぞ」 〇同・同・中(深夜)    雪弌が寝室の出窓に腰かけている。    窓の外を見ている。    その隣に洸龍が遠慮がちに座る。    雪弌は窓の外を見ながら、 雪弌「出て行くつもりなのか?」 洸龍「オレがここを継ぐ資格が無いのは変えよ  うのない事実だからな。それにここまで育て  てくれた父さんや母さんが親戚筋から文句言  われるのも目に見えてるし」    雪弌は、何気なく出窓に置かれた洸龍の    手を見る。手を繋ぎたいが繋げない。 雪弌「自分から手放すなんて大人のやることじ  ゃない」 洸龍「どうせ子供だよ」 雪弌「そうやって拗ねてみせれば、 私が折れると思うなよ」 洸龍「……アイツが大人になってここを継ぎた  いって言うなら、オレはそうしなきゃ」

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