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ベリアルのプレゼント《2》
「そう言ってくれるな。私は貴方を甘やかしてやりたいのです。今までつらく当たってしまった分、可愛がってやりたい」
見た目と同じ様に優しい声色で囁くベリアルに、ルノアの頬が仄かに朱に染まる。
「そんな風にベリアル様に思って頂けて、私は世界一の幸せものです」
遠慮がちにおずおずと手を重ねてくるルノアをベリアルが引き寄せて抱き締める。
静かなベリアルの城の中では、まるでこの世界に、2人しかいない様な錯覚さえ覚える。
「ベリアル様…、私、毎日夢を見ている様です」
こんなにも、自分に都合の良い様な日々が来るなんて。
夢にも思っていなかったとルノアは思う。
「だから、これ以上何かを望んでは、罰が当たってしまいます」
「馬鹿な事を…」
呆れた様な顔をするベリアルに、ルノアは困った様に眉を下げて笑った。
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