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ベリアルのプレゼント《6》

ラルドは何かの間違いだと自分に言い聞かせたが、その後すぐに両親に呼ばれ、先程仲間から聞いた話を聞かされる羽目になった。 母親に、ベルゼブブ様を怒らせる様な事をしたのではないかと泣かれ、長男として厳しく育てたつもりなのにと嘆かれた時には、本格的にこの世の終わりだと思った。 そんな慌ただしい最中、ラルドはベルゼブブの部屋へ呼ばれた。 部屋へ向かう途中の道すがら、ラルドを見ては周りがヒソヒソと噂話をする。 聞きたくも無いのに聞こえた噂は、 『ベルゼブブ様を怒らせる様な失態をした罰に左遷されるらしい』 『ベリアル様の怒りを買い、処刑されに行くらしい』 『ベリアル様に見初められ、ベリアル様のハレムに入るらしい』 等々。 実に多彩な噂が飛び交っていた。 どの噂も血の気が失せる内容で、ベルゼブブの部屋へ辿り着く頃には、すっかりやつれた気がしていた。

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