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ベリアルのプレゼント《7》
ラルドが恐々と部屋を訪ねれば、ベルゼブブが困った様な笑みを浮かべて出迎える。
「おお、センター家の倅よ。呼び出ししてすまなかった」
「い、いえ…」
センターはラルドの一族の名前だ。
代々庭師の家系で、古くからベルゼブブの城の庭仕事をしている一族だった。
「もう既に知っているやもしれぬが、お前に移動の話が出ているのだ」
ベルゼブブが怒っている様子ではない事に、ラルドはほっと胸を撫で下ろす。
だけど、状況は何一つ変わっていない。
「はい、その…、先程両親から聞きました」
「妙な噂になってしまい、お前やお前の一族にも申し訳なく思っている。だが、これは確定事項ではないのだ」
「え?」
「お前が行きたくなければ断ってくれて構わない」
ベルゼブブ様の言葉にぱっと希望が湧く。
行かなくて済むのならば、何も自らあんな恐ろしい場所に行く理由等ない。
早々に断ろうと嬉々として口を開いた時だった。
「お前が居なくなってから、ルノアが寂しがっていて元気がないそうだ」
「ルノア様が…?」
突然出てきたルノアの名前に、ラルドは断る言葉をすっかり忘れた。
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