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ベリアルのプレゼント《10》

~ルノア視点~ 「!?」 外出から帰られたベリアル様をお迎えしようと城の入り口に着くやいなや、ベリアル様に自分よりも大きな塊を押し付けられ驚く。 「ルノア、私からお前へのプレゼントだ」 「ら、ラルドさん!?」 「る、ルノア様、お久しぶりです…」 ベリアル様が、プレゼントと言って私に押し付けたのは、庭師のラルドさんだった。 一体どういう事かとベリアル様を見れば、にやりとその口元が弧を描く。 「お前がこの庭師を随分と気に入っている様だったのでな。此奴の雇用契約をベルゼブブから譲り受けた。好きに使え」 「ええー!?」 そ、そんな、物じゃないんだから…。 タラリと汗が頬を伝う。 確かに、確かに、ラルドさんには会いたかったけれど、 そんな事をして、良いものだろうか…? なんだか心なしかラルドさんのお顔が青ざめているし…。 もしかしたら、ベリアル様が強引に連れて来てしまったのかもしれない。 とても悪い事をしてしまった様な気がして、ベリアル様の手前、心の中でラルドさんと神様に謝罪をした。

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