29 / 44

突然の来訪者《12》

「……………それとも、お前はああいうのがタイプなのか…?」 「え!?」 思わぬベリアル様の言葉に驚いて声を上げる。 「あのガキにキスをされて頬を染めていたな」 「ち、違います…!キスなんて、され慣れていないので、びっくりしてしまって…」 キスをされて、恥ずかしくて真っ赤になってしまったけれど。 けして、バルトさんにときめいた訳ではない。 私の心は、ベリアル様に出会ったあの日から、ずっとベリアル様の物なのだから。 だから、私が好きなのはベリアル様だと伝えようとした時だった。 不意にベリアル様が覆い被さる。 叩かれるかもしれないと身を固くするけれど、予想していた痛みは訪れなかった。 その代わり、強い力でベットに押し倒される。 「んっ…!?」 ベリアル様に口づけられていると気づいた時には、もう舌を絡め取られていた。

ともだちにシェアしよう!