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突然の来訪者《19》

「あっ、やぁっ…!!」 指が出し入れされる度に内壁を擦られ、身悶える。 最初の頃は痛くて堪らなかったのに、今はそれだけで溶けてしまいそうな位に気持ちいい。 けれど、達する事が許されない今、過ぎる快感は苦痛でしか無い。 「ぁっ、ああ、あぅっ、ふ…く…ん」   二本、三本と指を増やされ、中を掻き回される感覚に、ひっきりなしに声が漏れる。 今の自分は涙と涎でぐしゃぐしゃで、きっと酷い顔をしていると思う。 「ルノア…」 掠れた声が囁く。 やっと聞こえた大好きなベリアル様の声に、ゾワリと背筋が痺れた。 「ヒッーーー!?」 それと同時に、指とは比べ物にならない質量に身体を押し広げられる。 「ーーーっぁ、は、ぁっ………!!」 「っ、ルノア…」 ベリアル様の太い昂ぶりが挿入されたのだと気づいたのは、ベリアル様が腰を使い始めた時だった。 「あっ、ひゃん…!はっ、ああっ!!」 ただただベリアル様に揺さぶられて、泣いて頭を振る。 こんな風に汚れて、乱れて、ベリアル様に嫌われはしないかと頭の隅で心配をする。 それに、口数の少ない事も、凄く怒っているのだと不安になった。 ベリアル様。 ベリアル様は、今どんなお顔をしているの? 何を思っているの? 苦しさや過ぎる快楽よりも、 見えないベリアル様の表情と気持ちに、 不安で胸が張り裂けそうだった。

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