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突然の来訪者《22》

あの後、何度も求められて、いつ意識を手放したのか覚えていない。 目を覚ますと、隣りにベリアル様が眠っていて、ドキリとする。 昨日は、ベリアル様を怒らせてしまったけれど、あれは私の自意識過剰でなければ、ヤキモチだったのではないかと思い、一人で真っ赤になる。 ベリアル様でも、ヤキモチを焼いて下さる事があるのかと思えば、不謹慎にも少し嬉しかった。 だから、耳元でこっそりと囁く。 私は、ベリアル様の物なので、 ずっと、ずっと、 お側に置いて下さいね。 あまりお役には立てないけれど、 一生懸命お役に立てる様に頑張ります。 ベリアル様、 大好きです! 言い終えて、恥ずかしさにベッドの上をころころと転がる。 「何を一人で騒いでいるのだ」 ベリアル様の声に、慌てて起き上がる。 「べ、ベリアル様!?」 「それ程、愛を囁きたいなら、好きなだけ囁かせてやろう」 そう言って、恥ずかしがる私に、ベリアル様は何度も言葉を強要する。 やっぱり、まだ怒っているのかもしれないと涙目になる。 だけど、耳元に一度だけ囁かれる。 「貴方は私のものだ」 と。 それがあまりに幸せすぎて、ベリアル様に抱きつくと、ベリアル様は大袈裟に肩を竦めてみせた。

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