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第2話

名簿の並び順では[東儀]の次が[都丸]だ。 自分の席の前にヤツがいる。 ここ、1組は[特進]、特別進学クラスで成績上位の者のみで構成される。 簡単に言うと、学年で1位から30位までの30人で1クラスとなっている。 東儀はこのクラスのトップで、無駄口を叩かず目立たず学校生活に必要無い事は一切しない。 人を寄せ付けたくないオーラを発しているのだろうか? 話しかける奴もいない。 ·····一体どんなヤツなんだろう····· ·····俺なら、友達になれるだろうか··· 「東儀おはよう」 「…おはよう」 席に着いている東儀の目の前で挨拶すればちゃんと返ってくる。 「今日の数学の宿題やってきた?」 東儀の肩がびくっとした。 俺は不自然にならないように気をつけて、東儀の後ろの席に着いた。 話かけられるとは思っていなかったのだろう。 東儀はゆっくりと後ろに振り向いた。 「もちろん。君こそやった?」 返事が帰って来たうえに聞き返された。 見込み、アリだ。 「君じゃない。都丸だ」 ニヤリと笑えば爽やかに微笑んでくる。 ·····なんだフツーっぽい 思いの外、拍子抜けするくらい東儀は普通にいい奴だった。 話しかければ丁寧に返してくるし、聞いたことは調べてでも答えてくれる。 ただ、いちいちクソ真面目で堅苦しい。 出された課題をやってくるのはもちろん、掃除当番ではお手本のように隅から隅まで綺麗に掃除し、廊下は歩いて右側通行も守って、全て良い子のお手本通りなのだ。 俺は概ね真面目にやるが、面倒事は省くし、必要があれば廊下を走ったり斜めに突っ切ったりする時だってある。 ·····息が詰まらないのかな 東儀を観察してそう思った。 羽目をはずすこともないし、リラックスしている感じもなくいつも緊張感が漂う。 ·····心も体も鎖で繋がれているような… いや、何言ってんだろ、俺。 とにかく、端から見ていれば窮屈なくらいきっちりとしていた。 俺が見た限り、東儀は学校では至極真面目な、真面目過ぎる生徒だった。

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