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第4話

気づけばあっさり東儀とツルむようになっていた。 東儀の隣は想像していたよりも俺には居心地が良く、何で今まで誰ともツルんでいなかったのかそっちの方が不思議な気がした。 友達とはこういうものなのか。 いままでそんな存在がいなかった俺には一般的な基準がわからない。 顔が良くて、頭が良くて、性格も良くて、コミュ障ってことも無さそう…。 そんな奴に誰か仲の良い友達がいてもおかしくないだろう? 東儀と友達になって三ヶ月、夏のお楽しみ水泳の授業が始まった。 俺はスポーツは得意だが、中でも特に水泳は自信がある。 選手云々という話が出て来て面倒になり辞めてしまったのだがそれさえなければまだ続けていただろう。 難点があるとすれば更衣室。 男だらけでむさ苦しい上に臭い。 俺はさっさと着替えて出ていこうと素っ裸になって水着を穿き、ゴーグルを首に掛けた。 だが、ふと目が行った先に、上半身裸の東儀がいた。 東儀は思った以上に色が白く、背中の筋肉の付き方が美しかった。 ·····やべ、見すぎ…あ… 東儀が不意に体を捻ってこちらを向いた。 俺の目は東儀の胸に釘付けになった。 もちろん男だからいくら筋肉が付いていても女子のような胸は無い。 無いけれど…乳首が…男の!という感じではなく、誘惑されるようなピンク色で少しふっくらしているような…何とも気になるものだった。 ·····あんなの出してて、…いいのか…? 喉が鳴った。 俺の心配を知ってか、東儀は素肌の上に黒い上着を一枚羽織った。 ·····ラッシュガード着んのか… ほっとしたような、残念なような…。 何ともモヤモヤした気持ちのまま俺は更衣室を出た。 更衣室での雑念を払うかのように水泳の時間は思い切り泳いだ。 東儀は…綺麗なフォームで泳いでいた。 クロールで水をかく腕から水滴が飛び散る。 夏の日差しを受けたそれらはキラキラと輝き、東儀ともども眩しく見えた。 俺は泳ぐ東儀の姿に釘付けになっていた。 「肌が紫外線に弱いんだ。許可は取ってるよ」 休憩中プールサイドに並んで据わり、東儀は俺の方を向いてそう言った。 彼の肌は多量の紫外線で湿疹が出るらしい。 「大変だな」 口ではそう言ったが内心は安心した。 水から上がった東儀の髪から水滴が滴る。 俺は隣に座る東儀のアレが気になってどうしても東儀に目がいってしまう。 ·····俺以外の奴に気づかれないようにしないと… 「もうちょっと泳ぐわ」 俺は背中に視線を感じながらプールに飛び込んだ。

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