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第6話

学校帰り、東儀に連れて来られたのはマンションの一室だった。 「どうぞ」 「おじゃまします」 無駄な物が無い片付いた玄関。 (独り暮らし用なのかな) 1Kに近い作りでロフトが付いている。 「まあ、座ってよ」 クッションに近いデザインの一人掛けソファーに座った。 正面のクッションに東儀が座る。 「…あ、喉渇いたな。お茶持ってこようか…」 座ったばかりだというのに慌てて立ち上がり、冷蔵庫から麦茶を出してきた。 「気を使わなくていいよ」 俺の声に一瞬だけ東儀の動きが止まった。 二つのグラスに麦茶を注ぎ、クッションに座り直してからやっと東儀の口が開いた。 だがすぐには話出さない。 俺の目を見ては視線を外し、何か考えているようだがようやく覚悟を決めたようだ。 「こんなこと…言うの…どうかと思うかもしれないけど…」 心なしか顔を赤らめて、未だ視線を外しながら話し始めた。 「僕の…胸…変だろ?」 「はぁ?」 ·····ん?何言ってる? ビックリして変な声が出た。 「更衣室で見た…だろ?」 ちらりと上目遣いで俺を見る。 あぁ、アレか。 「もしかしてピンクでふっくらした…」 「うわあああああ!!」 東儀の手が俺の口を塞ぐ。 「恥ずかしいから言わないで!」 東儀の眉が八の字になって困っている姿も初めて見たが、その過剰な反応って…なんだか新鮮だ。 「(ふぐふぐ…)」 「あ、ゴメン」 東儀がぱっと手を離した。 「…で、それがどうかしたの?」 東儀の顔がぼっと真っ赤になった。 「き…着替えてる時…都丸が見てたから…僕の胸が変だって気づかれたと思って…」 …あれ?耳まで真っ赤にして可愛くね? これは…ヤバいヤツだ。 「それで俺が他の奴にいいふらすとか?」 「そ、そんなことは思ってない…けど」 マジでヤバい、ツボった。 東儀は顔も耳も、開襟シャツから僅かに見える首筋も、全部がトマトの様に真っ赤になっている。 俺は少し考えるふりをしてからしゃべった。 「もっとよく見せてよ」 クッションから体を起こし、東儀に向かってにじり寄る。 東儀の体がびくっと大きく揺れた。 そして、はあ、と息を吐いてからシャツのボタンを一つづつ外していった。 ·····か、肩まで赤い! 俺は初めてのシチュエーションのせいか妙に興奮した。 東儀はシャツを後ろに落とし、肌着に手を掛ける。 ·····色っぽい… 俺は腰を浮かせて吸い込まれるように東儀に近づいた。 東儀が腕をクロスさせて肌着の裾を掴むとまず腹があらわになり、東儀が肌着を脱ぎ終わる前に胸に顔を近づけた。 「あんっ」 俺の息に驚いた東儀が唆(そそ)る声をあげた。 「待って、よく見るから…」 俺は上擦った声でそう言って、東儀をクッションに押し倒した。

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