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第19話 【R18】
花火大会が盛り上がってきた頃、俺達は会場を後にした。
お互い黙ったままで来た道を足早に戻った。
発車直前の電車に飛び乗りその勢いのまま腰を抱く。
車窓越しに相手を見つめると体温が上がり、冷房がついた車内なのに汗がじわりと染み出てくる。
猶予はない。
浴衣の裾に足が縺れ、慣れないながらも捌きながら早足で急ぐ。
早く、早く二人だけの世界に浸りたい。
早く…。
玉のような汗を額に浮かべ夢中でキスをした。
玄関で、下駄を脱ぐのも待ちきれずに…。
夏の夜の刹那にあてられた恋人たちは、皆お互いを熱く求め合うのだ。
浴衣の合わせから手を差し入れ汗で濡れた肌を確かめると、いつもより感じているのか背中を極限まで反らせ息を荒げる。
「…は…んっ…」
乱れた浴衣姿で手の甲を口に当て、声を堪える姿に欲情の炎が煽られた。
「…や…ここじゃ…聞…こえちゃ…う…」
玄関で行為に及ぶ事に羞恥を覚えるのか、東儀の中心は浴衣の上からでもわかるほど昂っていた。
「…聞かせてやればいい…」
耳許で囁きながら息を吹き掛ける。
びくっと肩を揺らし、首筋からピンク色が濃く広がっていく。
唇を指でなぞれば、舌先でその指を舐める。
そのまま口の中を擦ると応えるように指に舌を絡ませた。
「ふっ…んっ…」
薄く目を開いて俺の視線を捉える。
帯を解いて浴衣の襟を肩から落とすと、その姿に驚いた。
「下着…着けてないの?」
口から指を抜き、正面から抱きしめるように背中に手を回し尋ねた。
「この方が……」
ちらっと俺を見る。
「…とま……、誠司が…好きかと…思って…」
俺は噛りつくようにキスをした。
そして片足を担ぎ上げ、双丘の奥にある秘穴に指を差し入れた。
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