21 / 46

第21話

知らない天井を見て、ああ、そうか、と思い出した。 横で眠る東儀は、まだ夢の中の住人だ。 髪を指で弄び寝息をたてる唇をするりと撫でた。 「…んっ…ふうっ…」 うっすらと目が開くが…。 眠りが浅いのか夕べの熱がまだ残っているのか…僅に眉間に皺を寄せ甘い吐息を溢し、東儀はまた眠りに落ちていった。 その存在を確かめ、俺もまた、眠りについた。 コンビニでおにぎりやサンドイッチを買い込み、昼頃ようやく起き出してきた東儀を気遣う。 「悪かった、やり過ぎた…」 「あー、うん、大丈夫…」 下を向いてもじもじしている白い体のあちらこちらに昨日の余韻が刻まれている。 意識はしていなかったが…こんなに付けたのかと自分自身に引いた。 「何が食べたいか分からなかったからいろいろ買ってきたけど…」 「あ、高菜のおにぎりがある。あとフルーツサンド!」 渋いのか可愛いのか…そもそもその組み合わせはどうなのか? 「…食べたかった?」 「いや…食べなよ」 そう答えながら、俺は見上げるように視線を向けてくる東儀の姿にドキリとして、ああ俺は人に対して好意を抱くことが出来るんだな、と思った。 ノロノロ動く様子から、東儀の体が辛いのは想像に難くない。 日中は宿題をしたり、テレビを見たりして過ごした。 夕方になり東儀の体調がと夕飯の材料を買いに二人で近くのスーパーへ行った。 アウェー感、半端ない…。 「カレーなら作れる」 「ホントに?」 真顔で確認されるとは…。 「…多分…小学校の調理実習では出来た」 東儀は、あははと俺の言葉を笑い飛ばして 「一緒に作ろう」 と言った。

ともだちにシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

わけアリ刑事(魔性のエロオッサンかつヒョウタンナマズ)と秀才美人大学院生(暴力団会長庶子)
3,139リアクション
263話 / 439,130文字 / 429
1/22 更新
茶道男子×天然小悪魔の一途な恋の物語。互いにベタ惚れ、激甘です。
20,046リアクション
418話 / 455,630文字
2019/6/7 更新
強き泣き虫で顔も好みだったから捕まえちった★わーい!!
4リアクション
7話 / 14,925文字 / 0
2019/10/7 更新
悪魔の子育てなんかできるかー!しかもパートナーは相性最悪♠大っキライなライバルのあいつだとーッ!
2リアクション
17話 / 10,000文字 / 17
2018/5/13 更新
「俺とお前は、運命の赤い糸で結ばれてるんだ!」
22リアクション
6話 / 6,169文字 / 40
2019/9/27 更新
見渡す限りの白銀の世界で、1組のカップルが今まさに新しい人生の門出を迎えようとしていた。
27リアクション
1話 / 1,574文字 / 0
2/9 更新