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第22話
結果、カレーライスはまあまあだった。
切ったり炒めたり煮込んだりと、俺は東儀の指導の下で調理しただけだからな。
これで失敗するなんて有り得ないってよく言うけど旨く作れたらやっぱり嬉しいし、実習じゃない料理は楽しく作って楽しく食べないと。
食べ終えた食器をさっさと片付け、二人でお風呂に入ろうとイチャイチャし始めている時に東儀のスマホが震えた。
画面を確認してから東儀が話し始めた。
「…うん、何?…え?大丈夫なの?…うん…」
相づちの様子が不穏…。
電話を終え、俺の側で立ち止まる。
「…家から連絡がきて…」
表情が硬い。
「…悪い、これから出掛けなきゃならなくなった…」
「…あぁ、うん…分かった」
「また、連絡するから…」
イチャイチャも一転、慌ただしく着替え俺は荷物を担いで東儀の部屋を出た。
何かあったのはまず間違いない。
明日連絡が来てから聞けばいい、と軽く考えながら家に帰った。
「あ〜暇…」
宿題の他にすることもなく、一週間が過ぎた。
東儀からの連絡は、ない。
余程のことが起こったのか、俺のことなんぞどうでもいいのか…わからない…。
連絡すると言われてるのにこちらから連絡するのも…気が引ける。
悶々とさらに5日程過ごした朝、東儀からLIMEがきた。
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