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第24話

東儀の宣言通り、会える時間が減った。 減ったなんてもんじゃない。 夏休みの間は 実家に帰っているらしいから実質会えない。 ·····あぁ、つまらない。 鮮やかに見えていた目の前の景色が、急に色褪せた。 東儀と過ごすようになって気持ちも生活も、張りが出来たというのに。 目的も何も無い去年までの過ごし方に、俺はもう耐えられそうになかった。 だが…今までのように勉強に明け暮れるしかない…。 そう思って会えない寂しさを振り払った。 雑念を払うように起きている間は机に向かった。 二学期になればまた会える。 だから、連絡するのを我慢した。 夏休みがあと一週間を切った夜、ベッドに入ると何故か東儀の顔が浮かんできた。 何で今頃…? 目を閉じて息を吐く。 心拍数が増えてくる。 ん?興奮してるのか、俺? 思い出しただけで緩く頭をもたげる俺自身…。 …触りたい。 キスして身体を…いや、体の中まで触りたい。 下着をずらして昂る自分を握り込んだ。 左手で擦りあげ、右手で先を責める。 ただ吐き出すための行為に体は熱を溜めていくが頭は逆に冷えていった。 「…ぎ、と…うぎ…」 うわ言のように名前を呼び、俺はもて余す熱を吐き出した。 虚しさはやや残っていたが、朝すっきりと目覚めた。 溜まってたのか?俺…。 昨日の自分を思いだし呆れながらスマホを見るとLINEがきていた。 『兄貴の意識が戻った。明日には会える』 短い文だが再び俺の世界に色がついたようだった。

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