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第28話

「一段と仲良くなったんじゃない?」 始業式、長いだけの担任の話になんとか耐え、ようやく帰り支度を終えた頃、桜井にそう言われてはっとした。 夏休み中一心と過ごしていたせいで親密度がグッと上がって見えたのだろう。 気恥ずかしいようなくすぐったいような…。 「親友だから」 一心がそう言葉を返していた。 …親友…。 クラスメイトに俺達の関係を言う必要なんて無い。 けど…一心の口からでたその言葉は俺の心に小さな棘を刺した。 「そっか、そうだね」 「桜井だって、都丸と仲がいいだろ」 「え?そう見えた?」 一心と晴が楽しそうに話をしている。 桜井と一心は俺が入り込む隙がない位に仲がいい。 その姿に胸がチクチクする。 それは小さな棘が深く喰い込んだような。 ·····一心は俺だけ見ていればいい! ガタン、と大きな音をさせて立ち上がり教室を出た。 勢いよく飛び出して階段を駆け上がり四階の踊場に座り込んだ。 ·····俺、おかしい…こんな気持ち…なんで…? ·····知らない…こんな… ·····こんな…

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