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第36話

クラスでやった喫茶店は結構な数の客が入ったようで飲食店部門で売上一位を獲った。 まあ、賞品は名誉だけだが。 クラスの皆と残ったケーキとジュースで乾杯し、文化祭は終了した。 「忙しかったけど楽しかったね」 帰り道、何故か途中まで一緒に帰る事になった桜井が嬉しそうに話し掛けてきた。 「そうだね、このまま終わるのもったいない…」 桜井と東儀の話を聞いて俺もその通りだと思った。 そして俺は東儀の部屋にいる。 離れるのが名残惜しいというか…もう少し一緒にいたかった。 「お茶持ってくるからその辺に座ってて」 「わかった、っと…」 クッションに座ろうとして、紙袋を蹴ってしまった。 コロンと倒れて中身がはみ出る…これは…セーラー服…。 衣装は各自持ち帰ってクリーニングに出してから返却することになっている。 じっくり見たい…でも… …嫌がるかな…。 「え…何見てるの?」 俺を見下ろす東儀はお茶の入ったグラスを持って立っていた。 ドキッ…。 「いやぁ、ゆっくりとセーラー服姿見たい…なぁ…」 じっ…と強請るように見上げると…嫌そうな顔というより…ん?顔が赤い…。 「な…んで…?」 テーブルにグラスを置くが声が掠れてる。 ダメじゃないのか! 「ゆっくり見たい見せて欲しい、可愛いセーラー服姿…」 俺は立ち上がってそっと東儀の肩を抱いて囁いく。 「ちょっと…だけ…だから…な」 恥ずかしいんだろう、耳を赤くして向こうをむいてしまったが、俺はその顔を見せて欲しかった。

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