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第37話
うつ向く東儀から一つお願いがあるという。
「都丸に…これ、着て欲しい」
部屋の隅に置かれていた紙袋。
「着てくれるなら…セーラー服に着替えてもいいけど…」
はにかみながら渡してきた紙袋の中身は…いやいや…無いでしょ。
「百合プレイ……?」
につこりとしているものの、有無を言わさぬ笑顔…。
黒地にえんじ色の二本線が襟に入った…制服が入っていた…。
「…マジか…」
意を決したものの、自分で着て猛烈に恥ずかしい。
こんな日が来るんだ…いや、来ないだろ…。
見られるのが東儀だけで良かった…そうじゃなかったら逮捕される。
鏡に映ったセーラー服…東儀の来ている物よりややレトロなデザインだ。
「いくつか受け取ったんだけど…これなら都丸も着られるサイズかなって」
余裕できられるわ…XLってタグに書いてある。
女子用なんだろう、丈が短くて腹が見える。
「うわ、セーラーから見えちゃイケナイ腹筋!」
東儀が指でつついてくる…やめてくれ。
「綺麗に筋肉が付いてるから脚のラインはすごく綺麗だけど…この腹筋…女子の制服の隙間から見えるの…結構クる…」
すっと東儀の頭が下に移動し制服の隙間からキスされて、俺はいつもと違うシチュエーションに息が荒くなった。
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