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第51話【R18】
「一心…」
腰をぐっと押し進め、温もりを抱き締めた。
壁に手を付いて軽く仰け反る首筋に唇を押し当て強く吸う。
「…っぁ…」
ゆっくりとした律動を始めるとその動きに合わせて一心の腰が揺れた。
「…もっと…」
強請られても俺はゆっくりのまま、でも深い所まで抜き差しして一心を焦らした。
「せ…いじぃ…やぁ…ン」
一心の甘く鳴く声が浴室に響き、俺は恋人繋ぎした手を壁に縫いつける。
「好きなんだ…おまえが他の奴といると苦しくなる」
震える耳朶に唇を付けて囁く。
「ど…して?」
潤んだ目を俺に向けて一心が言う。
「俺は…ここにいる…のに」
一心、俺は嫉妬深いんだ。
今までこんな気持ち知らなかった。
「うん…ゴメン…」
「せい…ぁ…ン」
濡れた唇を重ね、一心の言葉を飲み込んだ。
「俺と桜井が?」
パンイチの格好でベッドに転がって、くっくっく…と一心が笑う。
「無い無い。ありえない!」
一心に笑われ、不貞腐る俺。
「しょうがないだろ!ずっと引っ付いてるし…」
恥ずかしくて俺はボスンと枕に顔を埋めた。
すうっと一心の顔が近づく。
そして耳元で囁く。
「桜井ね、好きな人がいるんだって」
な…何だって?
「それ!先に言ってよ!!」
裸の東儀に腕を絡ませた。
「聞けよ、何でも。一人で悩むな」
俺の胸の中で瞳をじっと見つめてちょっと眉尻が上がっている。
少し怒ってる東儀。
「…うん」
素直に頷くとちゅっと頬にキスされた。
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