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第67話

「今日も来たか、都丸」 駐輪場に愛車(自転車)を停めると後ろからいつものアイツ。 「そりゃな」 振り向きざまに悪たれでもつこうかと思ったが…昨日一心と話した事もあり、ぐっと口を閉じた。 だがじっと俺を見る佐久間。 何、俺に気でもあんの? 「ん?何か用?」 「俺は無いんだけど」 …うん? 「…行こうぜ」 佐久間に言われるまま、その後ろを付いて行った。 東儀といつも待ち合わせる食堂…ではなく講義棟の一室に佐久間は入っていった。 「佐久間は伝書鳩?いつも一心の伝言運ぶよね」 前列の椅子に腰掛けるなり俺は佐久間にそう言った。 「はは、面白い事言うね。案外そうかもよ」 二つ離れて座る佐久間は笑いながら肯定した。 「佐久間、下遠って知ってるか?」 「…誰?」 ニヤニヤとした顔でしらばっくれる。 「冗談言うなよ」 「ふふ」 はぐらかすような半笑い。 そのままプイと向こうを向いてしまったから、佐久間が今どんな表情をしているかは分からない。 「なあ、佐久間…」 「あ、誠司!」 俺の言葉を遮って、東儀が講義室に入ってきた…下遠を伴って。 「お待たせ…うわ、一心と佐久間の距離感が微妙…」 …今それはいらないだろ。 「下遠くん、ちゃんと紹介してなかったけど…その…都丸誠司くん」 「ども。昨日ぶり」 改まって紹介され、席を立った。 「僕の…彼氏」 「…!」 俺は驚いて一心の顔を凝視した。

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