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第81話

「二人がナニしようと勝手だけど、あけすけは止めろ」 「はーい(棒読み)」 いい子ちゃんな返事だが、佐久間の視線は明後日の方向を向いてる。 性事情は報告してくんなよ! 「下遠、そんな遠くに居ないで“ カレ ”の近くに行けば?」 「え!そ、そうか…」 嬉しそうに佐久間に近寄って行くが…下遠と違って佐久間は喜んでる風も無く照れるでもなくいつも通り。 佐久間、ポーカーフェイスなんだ。 バカップルとまでは言わないがもう少し嬉しそうな顔してやれば? 告るのと告られるのの違いなのか? 「ま、関係ないけど」 「ん?何か言った?」 一心が俺の腕を取り顔を覗き込んだ。 「…早く帰ろうぜ」 「どうしたの?疲れた?」 「うん、疲れたー」 身体を傾け、一心に身を任せる。 「重いよ誠司」 言いつつ受け止めてくれる一心。 「あけすけー(棒読み)」 「羨ましいだろ?」 「…うん」 「じゃあ俺達も…」 佐久間が下遠にしなだれ掛かる。 「うわ!重い!」 …たぶんそれ違う。 満員電車で急ブレーキのヤツ。 「さ、おアツい二人の邪魔しないでさっさと行こうか」 俺たち二人は先にフリースペースを出て駐輪場に向かった。 「仲良さそうだったね」 「え?う…うん」 一心が言うほどには見えなかったがやる事はヤッたみたいだし…一応下遠の思う通りにはなったよ…な。

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