「あいつら大丈夫？」 強い日差しの下、目を細めて視線の先にいる下遠達を少し遠くから眺めた。 「大丈夫じゃない？」 「そうかな〜」 「結構仲良しだし」 「え？」 あれが？ 同じテラス席とはいえ正面に座ってるぜ？ 話すどころか佐久間は雑誌を読み下遠は携帯を弄ってた。 オイオイ、付き合って二〜三ヵ月か？それ！ 「ドライ…だな」 「そうでもないよ。だって…」 テラス席を背に、東儀の顔が俺に近づいて…一心からの壁ドン？ 「講義中はね、隣の席に座って どこ触ってんのっていうくらいベタベタしてるよ」 「うっわ…まじか…」 オンとオフがハッキリしてんのか。 ってか、講義中はベタベタしてないで集中しろよ！ 「それならもういいよな。俺ら帰ろうぜ」 「うん」 一心の腰に腕を回し、出口へと誘う。 揃って駐輪場へ向かう途中で近づいてくる男。 「一心、ちょっと来い」 うわ…一志とかいう一心のアニキ。 「なんですか？」 「借りるぜ」 「誠司後で！」 なんの説明も無く一心は拉致られていった。 「なかなか自分勝手なアニキだよな」 すぐに終わるのか…時間がかかるのか。 「とりあえず家に帰ろう」 俺は一人で家に帰った。