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9.まるで呪いのように
雨月には何が起きているのか分からなかったが、体を巡った熱が集まる場所がおかしい。動かせない体でも可能な限り星月の方へ視線を向ければ、彼がキラキラと目を輝かせていた。その視線の先には己の下腹部から立ち上がり始めたものが見える。戦場 以外では感じた事の無いような猛りが脈打ち、透明な粘液が溢れる血潮のように滲み出していた。まるで自分ではないような錯覚すら覚える程、逆さにした杭として立ち上がったものは獰猛で逞しい。
「坊っちゃん…あんた、なにしはった…?」
「教えてもらったんだぁ。確か、淫呪 ?そんなような名前だったはず…それに、ねやにすぐ覚えられたって誉めてもらえたの!」
まるで信じられないようなものを見た雨月の問いの答えは嬉しそうに話す星月から語られた。
それは雨月が、ただただ追放された『ねや』と呼ばれた鬼への憎悪を燃やす追加燃料にしかならない。しかし、その怒りすらもより強固な礎 としたのか下半身で脈打っているものは天に向かう直立どころか、臍の下に迫る勢いだ。
しかもそれは雨月の意思とは関係なく熱を持って、時折我慢がきかないとばかりに脈打ちながら透明な液体を滴らせる。まるで猛獣が獲物を探して涎を垂らしているようにも見えた。
不意に星月が再びそこを小さな口に入れた。固く太いそれは柔らかい粘膜に包まれた事を歓喜するように脈打つが、星月の小さな口では先の方しか受け入れられない。
「んぐ、む、ぁ…はぐ」
「坊っちゃん!!あかん言うてまっしゃろ!やめなはれ!!」
まるで水に飢えた者が必死で水を啜るように、星月は雨月の立派すぎるものを咥えて手や喉まで使ってしごいている。もちろん雨月の制止の声は無視をされ、返事の代わりにジュポジュポといやらしい音が返された。
「ぷはっ、は、おぃし…」
「星月様!何言うてはる?!やめなはれ!まだ間に合う!これはあかん!!あかんのです!!」
「やーだ!雨月、命令だよ。僕のもやもやを解消して!」
「あきまへん!!」
息継ぎのために唾液と粘液の糸を引かせながら口を離した星月へ雨月が必死で静止の声を上げるが、訴えが届く事は無い。いつの間にか着物を全て脱ぎ去っていた星月は雨月の体を跨ぐ。まだ幼くも淫らに仕上げられた体の中心では、小さく可愛らしい欲望が上を向いていた。
そして先程まで口で舐 っていた雨月の猛りの先を己の蕾に擦り付けて濡らすと、待ちきれないと言わんばかりに蕾がキュウキュウと動いて立ち上がっている杭を受け入れようとする。まだ花を咲かせていない蕾は早く固く逞しい雄の猛り杭が欲しいと訴えて杭先が触れる度にぷちゅりと口付けしていた。
しかし雨月の杭は女性でも尻込みするような大きさになっている。それを星月は馴らしもせずに飲み込もうとしていた。そして散々己の蕾と雨月の杭を口付けさせ星月は少しだけ緊張した様子で腰を落とし始める。雨月の意思は無視されて彼の杭の先が星月の柔らかな蕾を割り開いていく。
その感覚に僅かに顔を歪めて動きを止めかけた星月だが、杭の先を蕾が飲み込むと後は早かった。
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