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10.歓喜と悲嘆
星月の蕾が杭を飲み込むのが早かった、と言うよりも立派すぎたそれの先を受け入れた刺激だけで跨がっていた星月の足から力が抜けた。そして星月の体が下に落ちるまま、一気に雨月の杭は打ち込まれる。
「~~ッ!!」
あっという間に開いた柔らかな蕾は広がって、そこは雨月の猛り杭を納める柔らかな鞘に変わった。その衝撃に星月は声も出せずにビクンビクンと痙攣したように体を跳ねさせて雨月の杭を柔らかな肉で締め上げる。
腰が落ちた衝撃から脳天を突き抜けるような快楽の直撃で星月は少しの間上を向いたまま、カタカタと小さく震えていた。その下腹部では、立ち上がっていた控えめなものは白とも透明ともいえない液体を噴きながら歓喜に震えている。やがて星月のその顔がゆっくりと雨月に向けられた時、そこにいたのは情欲に飢えた生き物だった。
その年に似合わないほどの色気は転じて淫靡な色と香りを醸し出す。情欲しか映していない瞳だが、腹の奥をすり上げる快楽に期待してキラキラと輝いていた。しかしその奥で灯る炎は、雨月の鍛え上げられた四肢を改めて映すとねっとりと舌舐めずりをしている。
「雨月、美味しい…すごいよぉ…」
「美味しいはずないでっしゃろ…坊っちゃん、おふざけがすぎてるんちゃいますか?早くやめなはれ」
「やめない。雨月と、ずっとこうしてみたかった…雨月に犯されたかった」
雨月の怒気の滲み始めた言葉にも臆さず、星月は恍惚とした表情を浮かべてその体を寝かせる。興奮と快楽から汗で湿り、火照った星月の体がゆっくりと伏せられた。少し冷たい雨月の体にぴったりとくっつくと互いの肌質か、それとも錯覚か分からないがひどく心地良い。まるで互いの肌が相手を求めて吸い付いてるのではないかと錯覚すらさせた。
「気持ちいい…雨月、好きだよぉ」
「あての肌が冷 やっこいからそう感じるんでしょうや…坊っちゃん、早くどきなはれ」
「やだ。雨月、このままお前のお乳をちょうだい。僕はそれが欲しい」
「…お乳?」
「うん。魔羅 からでる白い乳。熱くて甘いもの…あれを僕のお腹の中に入れて、お腹がいっぱいになるくらいたくさんちょうだい…?」
「は…ッ?!な、何いうてはるんですか!」
星月の言葉に首を傾げた雨月だが、言われている事を理解した途端信じられないというように目を見開く。
四肢を拘束されたままの雨月がどんなに足掻いてもまだ術が緩む事はなさそうである。ならば、一縷 の望みをかけて怒号を飛ばすが、それは届く事無く星月は体を持ち上げて腰を揺らし始めた。
控えめにゆっくりと動き始め、腰をくねらせて互いの肌を擦り付ける。たまに腰を持ち上げては落とし、雨月の杭で腹の奥を拓いて打ち付ける。その度に肌同士がぶつかり合う音や粘りけのある水音がいやらしく響き渡った。
「あ、ぁ、んぁ!あ、ぁッぁ、ッ!」
「……」
「あん、ぁ、ぁひっ…あ、と、とまら…あぁ!にゃぁあッ!きも、ひぃッ…よぉ!」
星月は自分で動く度にしっとりと濡れて蕩けていく。段々と熱を上げたその体は全身を桜色に染めあげた。さらに自分の下腹部から白を吐き出して桜色に淫猥を画 いた。片手では存在を主張し始めた胸の小さな玉 を転がして引っ張り、潰す。
しかし、それらはまだ少しだけぎこちなく、拙さの残る動きだった。だとしても、子供としてはあまりにも艶事に慣れすぎている。
そそり立った頑強な肉杭をを己の尻に咥えて自ら動き、高く濡れた矯声を星月の口は嬉しそうに吐き出す。星月が体を持ち上げれば、開いた蕾は肉杭を離したくないと言わんばかりに絡み付いて吸い付く。そして持ち上げられた体が落とされ、尻を擦り付けると小さな体は歓喜で震えた。そしてこのまま続けて与えられる快楽への期待と恐ろしさに悦 び、震えて甘く戦慄 く。蕾の奥の秘肉は打ち込まれる杭をもっとと求めているようだった。そして何度も肉同士がぶつかり合えば開いた蕾からは蜜が溢れる。それは響いていた水音をさらに甘くいやらしい音に変えて二人の耳に届いた。
星月にとって快楽と絶頂の歓喜だったが、雨月にとってこの時間は拷問に等しかった。口を噤んで目を閉じて耐える事しかできない。歯を食いしばった時に己の牙が皮膚を破って唇を傷付けてたらりと垂れた。それも星月に舐め取られる。淫らに踊る星月にはその鉄臭い体液ですら媚薬になるのかもしれない。
星月にとって甘く熟れたその時間は彼が満足するまで続く。たとえ、雨月が泣いて訴えたとしても星月が止まる事は無いだろう。ただただ、雨月の肉杭から吐き出される乳とやらを自分の腹で絞りながら星月は甘く鳴くのだ。
そして、さらに呪 いを重ねる。
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